第2262回例会/平成18年03月17日(金) サミットホールで
会長挨拶(林 務会長)
昨日は暴風が吹き荒れましたが、今日は一転して暖かで穏やかな日和になりました。高知では早くも桜の開花が発表されましたし、宮崎も明後日の20日が開花予想となっております。また明日は彼岸の入りでありますしフラワーフェスタもスタートします。いよいよ春到来であります。
春と言いますと、新年度がスタートする季節であります。先々週の竹内会員のお孫さんの医大合格に続き、先週は志多会員のお孫さんの付属小学校合格のハッピーがございました。竹内会員、志多会員はもとより我々も本当にハッピーになるご報告が続き嬉しい限りでございます。
さて来週の例会でございますが、前田会員のお嬢様、河井案里さんに卓話をいただく予定にしております。皆様ご存じの通り、案里さんは自民党国会対策副委員長、財務金融部会長代理をお努めの河井克行衆議院議員の奥様であり、ご本人も平成15年、29歳で広島県議会初の女性議員に当選されておられます。宮崎県出身の彼女の活躍を彼女自身の口で語っていただきたくかねてよりお願い申し上げておりましたところ、ようやく実現いたしました。わざわざ広島からお越しいただきます。来週の例会には是非ご出席されますようお願い申し上げます。
幹事報告(日高 久夫幹事)
本日は2点ご連絡致します。
・本日例会終了後に理事会を開催致します。
・100万ドル達成の募金箱を渡します。よろしくお願いします。
出席委員会(小川 雅也副委員長)
本日の出席状況報告(前記の通り)
3月10日、100%出席例会となっておりましたが、現在14名の方が欠席扱いです。来週20日・22日にぜひともメイクお願い致します。
親睦委員会(金丸 宜裕会員)
・目出度い話をご紹介致します。
・喜島健一郎会員
可愛がっていた甥が一橋大学へ合格致しました。おめでとうございます。
・阿南育男会員
お二人目のお孫さんもラサール中学へ入学することになりました。ご兄弟共でございます。おめでとうございました。
観桜会のご案内(植松孝一会員)
4月7日は青島水光苑ホテルにて開催致します。
距離がございますので、バスの準備をしています。ご家族を含め多数のご参加お願い致します。
ゲスト卓話・ゲスト紹介(金丸 禮三会員)
野間 修 氏をご紹介いたします。
野間氏は鹿児島県川内市に生まれ、1966年鹿児島ラサール高校、1970年神戸大学法学部を卒業され、大蔵省に入省し税務大学校で学び国税調査官として活動、1977年1月、大蔵省本省に移動し理財局から国際金融局の証券金融検査官、国際収支専門官、国際資金調査官などを歴任。1997年7月から中国財務局松江財務事務所長、2000年7月から国立シンガポール大学客員研究員を最後に、宮崎市津村市長に請われて2002年3月財務省を退職し、同年4月宮崎公立大学参事に就任しておられます。
現在、財務法人みやぎん経済研究所客員研究員、宮崎公立大学地域研究センター主任研究員の他、南九州短期大学非常勤講師として金融論などを講義しておられます。
専門分野は国際金融論、中国経済を主とするアジア経済全般、租税全般に及ぶ財政学、金融システム全般に及びます。
私とは中学、高校の同級生で、2002年4月に宮崎に来られてから再び一緒に遊ぶ仲間で、MRTラジオでも時事問題の解説などを定期的に行っていらっしゃいます。
日頃は宮崎公立大学地域研究センターの活動の一環として精力的に宮崎地域の発展や活性化に研究活動をしておられますが、本日は特に地域住民の金融インフラの向上をどう図るかを目的に『金融(マネー)教育』の必要性についてという演題で、卓話をお願いいたしました。ご清聴の程、宜しくお願いいたします。
卓話
皆様こんにちは。金丸君から紹介頂きました野間と申します。初めてロータリークラブの会に呼んで頂きましてありがとうございます。心から感謝しております。
私は現在宮崎公立大学地域研究センターで主任研究員という立場での仕事をしております。
先程から話がございました様に、金丸君とはラサール中学・高校と同級生でございまして、4年前に宮崎に参ったものですから、又、金丸君との旧交が暖まったと、こういう状況でございます。彼には大変お世話になっているものですから、彼からこういう会で何かおしゃべりしてくれないかというお話しでございましたから、それはもう喜んで引き受けたというよりも、彼からのご依頼であれば断れない、こういうことで今日参ったということでございます。
先程、話のございました様に、主任研究員という立場でございますが、宮銀経済研究所の各員研究員などもやっておりまして、例えばその中でMRTラジオで毎週日曜日の朝、宮崎エコノミークラブという番組を宮銀経済研究所がやっている訳ですが、私はその関連でだいたい月に1回ぐらいMRTラジオに出演しているということもやっております。15分間のインタビュー番組の中で、宮崎県の1人当りの県民所得であるとか地価動向とか経済がらみの話をしている訳ですが、何といいましてもその番組の最大のお楽しみは15分間という時間の中で、コーヒーブレイクというのが3分位ございまして、その中で自分の好きな曲をラジオを通じてかけてもらえるというのが、大きな楽しみでございます。実は私は自己紹介にも何もなりませんが、皆様もご存知の方もおられると思いますが、あのイギリスのロックグループでありますビートルズ、私は死ぬ程ビートルズが大好きでございます。ですので、必ずラジオ番組では、3分間の中でビートルズの中で好きな曲をかけてもらう、それが宮崎での楽しみであるという状況でございます。ちなみに今度26日の朝もMRTラジオの出番でございますので、曲を何にしようか考えているところでございます。
その番組自体は裏番組はTBSのサンデーモーニングで、大沢親分と張本勲が喝・アッパレとちょうどやっている時間が我々の出演ですので、ほとんどの人に聞いてみると、あの番組を見てるとMRTラジオなんか全く聴いてないという人がおりまして、これまで10数回出ているのに、あの番組聴いたよという人は今までに3人しかおりませんでした。それも偶然に聴いたと魚釣りをしてたら野間の声が聞こえたという状況でして、よろしければ26日朝、大沢親分のあの番組の時に私の声が流れていると思いますので、ビートルズの曲共々お聞き下さい。よろしくお願いします。
それでは今日はレジメにありますように、「金融教育・マネー教育の必要性について」短く話をさせて頂きます。
『金融(マネー)教育』の必要性について
なぜ私が、宮崎でも『金融(マネー)教育』が必要だ、と思うようになったか
(1)個人的な経験(短大での非常勤講師など)から
(2)宮崎県の特徴について
・宮崎県は自己破産比率が全国でも高い方に属する。
・九州・沖縄で、宮崎県のみ国公立大学に経済・法律学部がない。(金融や経済などの社会科学系が「ニッチ」に止まっている)
2.どうすれば、『金融(マネー)教育』が身につくか
(1)「複式簿記」のすすめ
(2)自分で「ポジション(利害関係)」を持つことの面白さと重要性
3.『金融(マネー)教育』の具体例
(1)「経済教育元年」−−−金融庁、野村HGなど官民をあげて金融教材を無料配布
(2)米国での金融教育−−−政府(証券取引委員会)が「ひっかけサイト」を運営
4.まとめ
・若い頃に、運転免許取得と同程度に、金融(マネー)の知識習得が重要。
・金融や経済の知識のあるなしで、一生涯で物凄く大きな差異が生まれる。
なぜ私が、宮崎でも『金融(マネー)教育』が必要だ、と思うようになったか。
○私は、宮崎公立大学の教員ではなく、研究職に過ぎないが、学外では市内の短大で金融論などの非常勤講師をしている。学内でも、金融機関に就職が決まった学生を相手に、ボランティアで金融セミナーの講師役をしている。
そうした経験の中でいつも思うことがある。それは、商業高校出身の一部学生を除き、学生たちがあまりにも金融・経済の知識が乏しいことだ。これから地銀に就職しようとする学生でも、「貸借対照表」の言葉さえ知らない状況である。
○しかし振り返ってみると、私自身も、法学部出身ということもあり、学生時代には経済の勉強は殆どしなかった。では、法律が得意だったか、というとそちらも決して威張れたものではない。司法試験も落ちたし、上級公務員法律職も最終段階で落ちてしまった。そして、多少の紆余曲折を経て国家公務員となり、国税局から大蔵本省に入った。その結果、経済や金融がメシの種になった。だから、学生時代には殆ど勉強しなかった経済を、かなりの大人になってから勉強するハメになった。
○そこで、自分でも反省して、日経新聞をたんねんに購読する習慣を身につけた。それは20年ほど前からである。そのお陰で、今では、日経に載っている
マクロ経済や財政金融の関連記事を切りぬいて、隅々まで読むのが趣味となっている。
○こうした私自身の経験から、やはり若いうちから、経済や金融の知識を習得して馴染んでおく必要があるのではないか、とつくづく思う。
○特に、宮崎県の場合、「金融(マネー)教育」に関して、語るべき点が二つある。
先ず、宮崎県の場合、「自己破産比率」が全国的に見てかなり高い方に属する点である。ある民間調査の3年程前の全国ランキングでは第2位だったそうだ。これが県民性によるものかどうかは別として、宮崎では、若い人向けに、「金融教育」と言うべきものを、他県以上に進める必要があるのではないか。
もう一つ、九州・沖縄で宮崎県にのみ、国公立大学に経済や法律の学部がない。このことと、宮崎県の「自己破産比率」の高さとは、もちろん因果関係はないが、宮崎県内では、大学教育において、金融や経済、法律の勉強が「ニッチ」に止まっている点は、もっと注目して良いではないか、と私は思う。
2.どうすれば、『金融(マネー)教育』が身につくか
○では、どうすれば金融教育が身につくか、であるが、私自身の経験から、ここでは、二つのことをお話ししたい。一つは、「複式簿記」のすすめ、であり、もう一つは、「自分でポジションを持つ」ことの面白さ
○まず、「複式簿記」のすすめである。金融や経済のあらゆる事柄を理解する上で、ストックである貸借対照表と、フローである損益計算書の仕組みを理解しておくことが全ての始まりだ、と私は確信している。私は、授業や講演などで、常に配布資料1のような表(マトリクス)を配って、「このマトリクスにあてはめると経済ニュースへの理解が早まると思います」、と説明している。しかしながら、もともと「フロー」や「ストック」がどういうことか分からないと、全然話しにならない。そのために不可欠なのが、「複式簿記」である。配布資料2の新聞記事を見て欲しい。「複式簿記は人類の偉大な発明の一つ」と書いてある。あの文豪ゲーテも、「複式簿記は最高の芸術作品である」と言ったそうである。ライブドア事件の報道でも、「株式上場」や「自己株式」など、経済用語のオンパレードだ。複式簿記を少しでも勉強して、フローである損益計算書やストックである貸借対照表のことを多少でも知っておれば、経済や金融への理解が間違いなく高まる、と私は確信し
○もう一つは、自分で「ポジションを持つ」ことの面白さと大切さである。ここで言う「ポジション」とは、「リスク・ポジション」又は「利害関係」のことであるが、どう言うことか。それは、お金(現金・預金)というものは、そのまま持っていても、殆どリターンを生まないので、リスクをとって、株や債権、投資信託、外貨建て資産などに積極運用してみることである。それによって、株式や金利、為替レートの変動に直接の利害関係を持つようになる。こうなると、証券市場や外国為替市場を左右するような世の中の動きにイヤでも無関心ではいられなくなる。実は、このことが、最大の「副産物」と言えるのではないか。リスクをとって積極運用する、つまりポジションを持つことで、たまには元本割れし、泣きを見ることがあるかもしれない。しかしながら、世の中の動きに関心が深まり、いつの間にか経済や金融の勉強をしている、という非常に大きな副産物を得ているのである。
3.『金融(マネー)教育』の具体例
○あらためて日経の記事などを読み返して見ると、すでに世の中では、金融教育の必要性が叫ばれて、実践もされている。その一端をご紹介すると、配布資料の3〜4のとおりである。政府自身が、昨年を「金融教育元年」と位置づけして取り組みを始めたそうだ。日銀や証券会社などでも、特に子供たちをターゲットとした金融・マネー教育にも本腰を入れ始めたようである。宮崎財務事務所や野村証券宮崎支店でもお話しを聞いたが、あっと言う間にこれだけのパンフレットを頂くことができた。
○米国は、「金融(マネー)教育」の先進国である。今日はその一例として、米国証券取引委員会が運営している「ひっかけサイト」の英文をお持ちした。ここで言う「ひっかけ」とは、金融詐欺のことであり、「私にお金を預けると1年に必ず2倍にします、しかも元本は絶対に保証します」といった類(たぐい)の金融詐欺は、日米を問わず後を絶たない。配布資料5〜6に実物を示すとおりであるが、「ひっかけサイト」では、政府がわざとそのような儲け話しを創作してサイトで流し、それにつられてアクセスすると、「こうした儲け話しに乗ると騙されるぞ」という警告表示が現れる仕組みになっている。金融教育の進んだ米国では、このようなサイトまで作って、政府が国民を啓蒙している、と言えよう。
4.まとめ
○ひょっとしたら宮崎県民の一部にはまだ、お金は汚いもの、とか、小中学生に株式投資を教えるなんてとんでもない、と思っておられる方がおられるのかもしれない。
○私は決してそうではない、と思う。「官から民へ」や「市場経済」が広がり、「自己責任」の原則がますます強く叫ばれるなかで、個人個人が経済や金融の知識をつけることはこれから一層、必要になると思う。
○特に、宮崎には「イッチャガ」という方言がある。私の故郷の鹿児島にも「テゲテゲ」という方言があり、私は「イッチャガ」や「テゲテゲ」で表れている南九州の人々のおおらかさや鷹揚さが大好きである。しかしながら、こうしたおおらかさこそが、こと金融マネーに関しては裏目に出てしまい勝ちになりはしないか。
○そこで、結論的に以下を述べたい。
(1)若い頃に、運転免許取得と同程度に、金融(マネー)の知識習得が重要。
・私は短大で、ハイリスク・ハイリターンか、ローリスク・ローリターンの組み合わせしかあり得ない、だから、「1年で2倍にします、元本は絶対に確実です」式の儲け話しには決して騙されるな、これさえ分かってくれれば、金融論の単位はあげますと、教えている。
・マネーの勉強の一環として、財政や税金に関しても、若い人々に基礎知識を習得させるべきだと思う。将来のわが国の担い手となる若者たちが財政や税金に関しては人まかせ、では、どうにもならないのではないか。
(2)金融や経済の知識のあるなしで、一生涯で物凄く大きな差異が生まれる。
・最後に、「大きな差異が生まれる」などと言ったが、かく言う私自身は、あまり甲斐性のない一サラリーマンに過ぎず、個人金融資産を積上げるといったことは夢に終わりそうである。
(担当:澤野淳次)(写真撮影:児玉寛太郎)